Hiro Education

「考え方」を変えたら、楽しくなる

突撃インタビュー「19世紀激動のパリへ」

「突撃取材:19世紀激動のパリへ」 12月、高校世界史で楽しい(?)課題プリントをやってもらいました。フランス革命の余波がヨーロッパ各地に及び、様々な民族・職業の人々の心を揺さぶります。そこで19世紀パリに派遣された君に偉人へのインタビューを依…

曖昧さの豊かさ

新聞のデジタル版に、作家の小川洋子さんが自分の作品「ことり」を使った入試問題(「国語」東北大)を解いてもらうという記事があった。 架空の話に登場する人物の心情を説明するわけだが、正解などもとよりない。そして、小川さんの解答と予備校の解答例が…

学校文化になじめない教師

新型コロナのあおりで日本語学校校長の仕事を失い、臨時任用として、公立高校で社会科を教えている。3年生が引退した今、授業数も減り、職員室で周りを観察することがある。 そもそも学生時代も学校には楽しい思い出はない。体罰当たり前の中学時代はまさに…

音楽と戯れたい

TV番組で花火大会の映像(過去の)が流れていた。コロナウイルスの影響で夏の風物詩が楽しめなくなり、映像だけでもということか(ほんの少しだけ癒されたが)。 その中に災害復興を祈念する数回の花火大会の映像が流されたが、そのどれもBGMに平原綾香さん…

音楽へのリベンジ、それとも渇望

学校教育で嫌だった教科といえば、「体育」そして「音楽」だ。 そもそも運動を学ぶことにどのような意味があるのか、わからない。スポーツは好きな人が楽しくやればいいことだ。どう考えても「国家を強くするため」という古い時代の教育を引きずっているとし…

アート思考について

小中学校で受けた「音楽」と「美術」の授業は楽しかったですか。 私の場合、音楽の授業は苦痛以外の何物でもなかった。クラシック音楽の鑑賞はともかく、小難しい音楽理論までテストされた。要するに西洋古典音楽の知識を強要させられたのだ。面白いハズがな…

人は「無機物」になろうとしている!?

人は「無機物」になるのか? 新型コロナの流行で過去の疫病流行に関心が向き、人類がどう対処してきたのかという関心が高まった。文化人類学的な関心からは祇園祭や話題の「アマビエ」などが疫病退散を祈願したものがあり、歴史上の例には事欠かない。また医…

手話という言語

もしかしたら今年一押しの本になるかも知れない。私自身の視野を大きく広げてくれる本だった。 斎藤道雄『手話を生きる:少数言語が多数派日本語と出会うところで』(みすず書房)がそれだ。手話やろう者についてまったく知らなかった。 この世界は「ろう」…

旅先で村上と出会う

コロナウイルスが広がる前、英国のエジンバラに行った。いつも、どこを見て回るかは皆で話し合って決める。その日は娘がお洒落な雑貨屋さんに行きたいとのこと。 エジンバラ城から少し下った坂道の途中に、その店はあった。フレンドリーな若い女性店員さんが…

時々空気が読めない

講談社現代新書の旧版の表紙デザインは奇抜だった 家族で居酒屋に行くことがある。カウンターなどで主人と話をして盛り上がることもままある。しかし気分よく帰宅の途に就く道すがら、しばしば、かみさんから叱られる。あのセリフは主人に対して失礼だったよ…

表現教育の可能性

若い頃、会社の上司によく演劇に連れて行ってもらった。新宿赤テントなど怪しげな芝居から井上ひさしの作品まで様々な芝居を見た。自分で言うのも何だか、おとなしい性格であった私にとって、舞台の上で泣いたり、叫んだりする俳優さんは別世界の住民と思っ…

「社会への信頼」があるか?

昨晩、SWITCHインタビューというテレビ番組でブレイディみかこさんと鴻上尚史さんとの対談を見た。 もっとも印象的だったのは、フレイディさんが指摘した「社会への信頼」が必要だということ。何か困った時、他人と違う行動を取った時、周りの誰かがサポート…

あさイチに平川理恵さんが出演!

あさイチに広島県教育委員長の平川理恵さんという方が出演していた。あのリクルートで抜群の営業成績をあげ、民間出身の校長をつとめて学校改革の第一線で活躍されている方だ。 図書館改革(寝ころがれる!)、校内にフリースクールを設置、上意下達の廃止な…

海外での子育て、そして在日外国人の子育て。

子どもが小学生のころ、イギリスに9カ月間、滞在した。あちこち電話をかけまくり、受け入れてくれる学校を探したところ、カトリック系の小学校がOKしてくれた。副校長と面談したら、「翌日から来ていいよ」と言われて何と優しい学校なのだろうと感動したも…

「わけがわからない」ことが面白い!

「わけがわからない」ことが面白い!これは学ぶことにおいて大切なことだと思います。 実は私は40代になって初めて村上春樹の小説が面白いと感じるようになりました。それは彼の小説がよく「わからない」からです。 今、川上未映子との対談集『みみずくは黄…

本当は実用的な「哲学的思考」

12月も半ば。しかし海外では抗議の声を上げている人々がいる。フランスの年金改革、香港の民主主義、気候危機…。 なぜ声を上げるのか?それは、今の社会状況が人々の幸福をダメにしていると考えたからだ。日本人は、幸福は個人的で主観的なものと思いがちで…

「校則」をなくす~学校が楽しいかどうか

最近、自分は「教えない」ことが好きなのかも知れないと感じている。いや、正確に言うと、学生が自分の考えを嬉々として話し、その内容を楽しんでいるのだと思う。 「教える」ことよりも、学生が自ら考えて、意見を言うこと、その環境を整えることが教育で一…

思考の「脱線」

「美人」「美男子」は民族や時間を超えるか? あるある話で、日本人女性と西洋人男性との夫婦は多いが、その逆は少ない、というのがある(本当かな)。ある人を好きになるのは、顔だけではないが、一般論として美人とか美男子という人は確かにいるし、目や鼻…

人がもつ自然の力を

「発酵」というものがずっと気になってきた。もちろん、漬物は大好きだが、ここでは、「自然」が時間をかけてつくってくれる作業の意味に興味がある。古来、人は自分でつくることができないものを「自然」に託して作り出してきた。人はただそれを待つことし…

Happy New Ears !!

Happy New Ears! (John Cage, 1963) 「新しい耳、おめでとう!」 ジョン・ケージが日本のラジオ 局から新年の挨拶を求められた時に日本の音楽愛好家に贈ったことばだという。 「聞く人に関する限り、問題の核心はどこにあるか。耳を持っているのだから、それ…

「小声で静かに」

「私たちが小声で静かになったら、他の人たちの考えを学ぶ機会が得られるはずだから」(ジョン・ケージ) For we should be hushed and silent, and we should have the opportunity to learn that other people think.(John Cage,1927) 稀代の音楽家は、好…

イエナプラン教育

教師が教師をいじめる。そんな馬鹿な事態が日本にはまだある。 日本の公教育は硬直化している。ただ、先進的な学校教育もはじまっている。 ここでは雑誌『ソトコト』11月号に掲載されていたイエナプラン教育について触れたい。 もとは1920年代にドイツのペー…

国語と日本語の違いとは?

新指導要領によって、高校の国語では、これから文学が選択科目になる。 いいかえるならば、高校生は小説や詩歌などの教養はもはや無くてもいい、 ということだろう。それに代わって、実用文として、行政のガイドラインや契約書を習うのだという。 多くの文学…

娘のコーヒー・デビュー

先日、娘がコーヒー・デビューした。 ブラック・コーヒーである。 砂糖・ミルク入りは前にも飲んだことがあるはずだが、甘くて好きではないと言っていた。 いま彼女は19歳なので、決して早いデビューではないかも知れない。 でも、私自身、甘いコーヒーに慣…

日記の使い道

書店の文具売り場で博文館の「当用日記」を見つけた。 ここにブルーブラックで日記をつけた 小学生のとき、父親に言われて絵日記をつけていた。学校であったことやTVヒーローのことなどを書いていたような気がする(たいしたことを書いていなかったのだろう…

歩いてますか?歌っていますか?

ある日本語学校で採用のための模擬授業をやることになった。 そこで中上級のクラスで使うプリントを見てびっくり。 以前勤務していた日本語学校で使ったことのある『中上級学習者のための読解ワークブック』の中の「速度によって失うもの」という文章です。 …

火星人に人間をどう説明するか?⇒人にとって最も価値のあるものとは?

「考えさせられる」問題に挑戦プログラムの第一弾。 「火星人に人間をどう説明するか?」 これが意外と難しい。 もとは『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題』に収録されているものです。 同書の解答例では、まず火星人を…

「世界一考えさせられる問題」にチャレンジしませんか 

アクティブラーニングの学習企画 「世界一考えさせられる」問題に挑戦するプログラムを開催します。 8月18日(土)10時半から約一時間 場所:ウイングス京都(京都市男女共同参画センター) 京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262 今回のテーマは 「火星…

「黙りあい」のさき

「現代人が失いかけているのは「話しあい」などではなくて、 むしろ「黙りあい」だ」(寺山修司) 今や大学の学部の名前にも使われる「コミュニケーション」。 外国語の能力など、多弁であることがいいという風潮がある。 寺山は「黙りとおした」ことのない…

「よちよち」と「よたよた」の間

毎日の楽しみの一つに「折々のことば」(『朝日新聞』朝刊)がある。 哲学者鷲田清一氏の撰と解説による、珠玉のことばである。 今朝は解剖学者の三木成夫(みきしげお)のことば。 三木の『海・呼吸・古代形象:生命記憶と回想』を読んで、目からウロコがお…