Hiro Education

「考え方」を変えたら、楽しくなる

「校則」をなくす~学校が楽しいかどうか

最近、自分は「教えない」ことが好きなのかも知れないと感じている。いや、正確に言うと、学生が自分の考えを嬉々として話し、その内容を楽しんでいるのだと思う。
 「教える」ことよりも、学生が自ら考えて、意見を言うこと、その環境を整えることが教育で一番大切なのではないか。
 これまで日本の学校教育は先生が学生に対して「上から」知識を教えるという形が普通で、話を聞かず、騒ぐ学生には大声で「静かに!」と命令するのが日常風景だった。
 こうした教育がおかしいと考える人が増え、日本の学校にも海外の先進事例を取り入れたオルターナティブスクールが少しずつ増えている。そして、日本の普通の学校でも、独自の方法で優れた成果を挙げている。
 『校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール』(西郷孝彦、小学館)という本に、東京世田谷区の桜丘中学校の話が紹介されている。とにかく、西郷校長がひたすら「子どもたちが中学校の3年間を楽しんでほしい」という姿勢に徹していることがわかる。楽しいから学校が自分の「居場所」になる。
 そして、書名にもあるように、この中学は、校則はない、服装は自由、定期テストはない、いつ登校してもよいなど、型破りである。自由であることによって、逆に生徒自らが考えることを強いられることになる。校則というルールがあると、先生も生徒も思考停止して、命令と服従という関係しかなくなり、学習意欲の低下やいじめ、不登校などの問題が発生する。
 この中学校の取り組みの優れている点は、生徒一人ひとりの個性を大切にしていることだろう。学校では、成績や運動能力などが優れていることが良しとされる。でも、子供たち一人ひとりの得意なことは違うし、将来の活躍も成績だけではわからない。子どもが「楽しく」学べるための工夫や努力が具体的に書かれている。
 変えようという意思さえあれば、こんな素敵な学校がつくれるんだという大きな力をもらえた。おススメの一冊!

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