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人は「無機物」になろうとしている!?

 人は「無機物」になるのか?

 

新型コロナの流行で過去の疫病流行に関心が向き、人類がどう対処してきたのかという関心が高まった。文化人類学的な関心からは祇園祭や話題の「アマビエ」などが疫病退散を祈願したものがあり、歴史上の例には事欠かない。また医学の発達という視点からすれば、多くの感染症との「闘い」というストーリーが描かれるだろう。しかし、新型コロナもそうだが、ウイルスに起因する病気に対して人々が持っている有効な方法はワクチンだけだろう。朝日新聞生物学者福岡伸一氏の投稿があった。彼は生命としての身体という視点から、私たちのもっとも近くにある自然とは自分の身体であり、決してそれを制御することはできないと断言する。そして、今回の新型コロナウイルスに対してワクチンが開発されるとともに、自然に宿主の側で免疫を獲得していくことで、やがて常在的な風邪ウイルスと化していく。福岡氏はウイルスに対してAIやデータで制御することに反対し、長い時間軸でリスクを受容しつつ、ウイルスとの動的均衡をめざすしかないという。

 私も基本的に福岡氏の意見に賛成である。体調を崩し、薬を飲んでも良くないなかったという経験のある人なら、自分の身体が「生物」であり、謎にみちていることは容易に理解できるだろう。

 

 進化の最終形は「無機物」か?

 

ところが、最近読んだロボット研究者(石黒浩)が書いた本によると、人間は今、「無機質」になろうとしているのではないか、という。複雑な分子構造を持つ有機物は環境適応性が高いけど、壊れやすくて、タンパク質でできていると120年が限界である(それだけ生きれば十分だと思うが…)。だから無

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機物の知的生命体になることをめざしてロボットを研究しているのだ。ここまでくると、SFの世界のようだが、もはや空想ではなく現実化しつつあるのだ。

道は二つ。とことん、生き残るためにロボット化していくのか、それともウイルスなど自然との共存をはかりつつ、謙虚に生きるのか。