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「考え方」を変えたら、楽しくなる

W杯、「魔術」に対抗するにはどうする?

サッカー・ワールドカップが盛り上がる中、興味深い新聞記事を見つけました。6月25日に対戦があった対セネガル戦についてです(『朝日新聞』6月22日夕刊)。
セネガルには「ジュジュ」と呼ばれる、古くから信じられている黒魔術があり、対日本戦でこれが用いられるかも知れない、というのです。国内の試合などでは広く用いられているらしいです。
魔術の効果はあるのでしょうか?記事には地元メディアの記者が「効果があるなら、とっくの昔にW杯で優勝しているだろう?」とのコメントがあります。

そこで、こんな問題を思いつきました。

「黒魔術を使うかも知れない対戦国のチームに対して、あなたのチームはどのように対抗しますか?」

負けん気の強い人なら、「こちらのチームも神様や仏様にお祈りする。とりわけ霊力の強い神に祈願して対戦チームの霊力を封じる」といったことを解答するかも知れません。
これはまるで古代史のなかの祈祷合戦みたいです。実際に昔はあったとは思いますが、入試問題への解答としては、今一つです。ここは同じ「土俵」にのってはいけません。

「相手が得意の「魔術」で来るなら、こちらも得意分野である「AI」を用いて対抗しよう」というのはどうですか。魔術に関するデータを古今東西から徹底的に集めて、分析して対策を打ち出す。国家プロジェクトに格上げして膨大な資金を投じる。日本チームが勝利すれば、その経済効果はもちろん、愛国心の高揚など見返りも十分…。しかし、実際に闘うのは選手たちです。敵の魔術封じの分析をしている間に試合は終わってしまった!ということになりかねません。

そもそも「魔術」とは?相手に影響を与えるための呪術です。世界には世界三大宗教の他にも、無数の土着の神様が存在します。それは信じる人を救いますが、信じない人は救いません(たぶん)。そこで魔術に対抗する最良の対策は、無神論者になることでしょう。聴く耳をもたないこと、同じ「土俵」にはのらないこと、これが戦わずして勝つ方法です。

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一つ気になるのは「黒」魔術の「黒」です。この点は植民地主義などの議論が必要となるので別の機会に。

結果的に試合は2対2の引き分け。外野が「魔術」で騒いでいる間に、選手たちは自らの力で闘っていたのでした

発音練習だけで3か月!

私自身も大学時代に第二外国語で中国語を選択したものの、まったく身に付かなかった者の一人です。すべてが先生のせいではないですが、基本となる「発音」が未完成のまま、会話文の練習に進んだと思います。正直、人には言えない成績です。


ではなぜ中国語が話せるようになったか。大学卒業を迎え、就職活動がうまくゆかず、一年間就職浪人をする決断をした際、どうせ一年間あるのだから、むだに過ごすのはもったいないと考え、中国語の専門学校に通うことにしたのです。
それが日中学院です。本科に入学したので、授業は毎日ありました。高卒の私より若い学生に混ざって机に向かいました。
当時から日中学院の評判はよく、通訳や翻訳家を輩出していました。その授業は実践を重視したもので、発音の練習だけで3か月もかけたのです。この発音の特訓が本当に役に立ちました。
短期集中で「発音」をみっちり身に付けることが結果的に「使える」中国語習得の近道なのです。

発音をきわめる中国語

你学过中文码?

インバウンドやビジネスの世界で中国語のニーズが高まり、大学などで中国語を勉強したことがある人も増えていると思います。
 でも実際に話せるという人は少ないでしょう。多くの人が「発音」が苦手だと言います。
 その最大の原因は、耳と口を鍛える前に、すぐに漢字を目で見て理解する学習に移行してしまうことです。
 このプログラムでは、中国語の発音ピンインを重点的に習得し、発音を完全にマスターし、中国語を「使える」言語にします。語学は特殊な能力を要しないので、誰でも一定のレベルまで到達できます。
 初心者の方も、「さまよえる中級者」の方も、「発音に自身アリ」と言えるようになりましょう。

「常識がある」とはどういうことか?

前の記事に東京大学の留学生向けの入試問題(文科Ⅲ類)で「『常識がある』とはどういうことか。」という問題が出されたと紹介しました。
この問題に対して、一人の留学生が、「常識」の内容を具体的に挙げて(例えば外国の歴史や政治の知識がある、等)、これを持つ人間が「常識がある」人である、と論じてしまいました。
これはやや拙速な解答でしょう。普通、私たちは、「あいつは常識がない!」「常識知らずだ!」などといった使い方をします。つまり、他人を非難する場合に使うことが多いのです。
そして、その時の「常識」とは、知識や教養ではなく、日常的なルールのことで、そこから逸脱した行いをした人に対して、この「非常識」が非難されるわけです。
つまり、知識の有無というよりは、道徳的か否かがポイントになっている言葉だと言えます。

でも、留学生の勘違いを「常識知らず」と言うことはできないです。日本にも「非常識」な人はたくさんいますから。

脳が自然とフル回転し出す

このプログラムを思いついたきっかけは前にもふれた『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題』を読んだことにあります。
 そして、もう一つは以前、勤めていた日本語学校の留学生の受験指導をしていた時の経験です。東京大学の外国学校卒業学生向けの入試問題がまさに「考えさせられる」問題だったのです。
 例えば、平成30年度の文科三類の小論文の問題は次の2題です。

 ①「常識がある」とはどういうことか。
 ②現代では自然保護が重視されるが、人類がいなくなるのが最大
  の自然保護だという考え方もある。こういう考え方もあること
  を踏まえて自然保護についてあなたの考えを述べなさい。

 脳みそをフル回転させなければ書けない、良い問題でしょう。
 これを日本語を学ぶ外国人留学生が2時間半の時間をかけて、書くわけです。そして、優秀な留学生はそれぞれ1000字以上の文章を論理的にきちんと書き上げるのです!
 
 日本人向けの大学入試もいずれこのような「考えさせられる」入試問題が多くなるでしょう。早めの対策が重要になるでしょう。でも、このような問題を考えることは決して苦痛ではないはずです。脳をフル回転させる勉強は楽しいのです。

「考えさせられる」入試問題にチャレンジしませんか?

いつからか知識をふやすことよりも、面白い発想に触れることに喜びを感じるようになりました。

さまざまな視点を持てたら、日々の生活が豊かになるのではないかと思います。
また、子供たちへの学習においても、やみくもに暗記を強いるのではなく、問題のとらえ方を示して、思考を鍛えることの方が大切だと思います。

クイズ番組のように回答のスピードを競うのではなく、「考える」というプロセスをたくさん経験することで、自然と子供たちの思考に広がりと深みがでてきます。

このプログラムでは、最近話題にもなった「オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の入試問題」および「東京大学の入試問題」を子供たちに考えてもらい、様々な知識を動員し、討論や作文の実践を通して、本当の意味で教養のある人を育成します。